著者プロフィール

川村元気

1979年横浜生まれ。上智大学文学部新聞学科卒業。
映画プロデューサー、小説家、脚本家、映画作家。
『告白』『悪人』『モテキ』『おおかみこどもの雨と雪』『バクマン。』『バケモノの子』『君の名は。』『怒り』などの映画を製作。
2011年に優れた映画製作者に贈られる「藤本賞」を史上最年少で受賞。
12年には初小説『世界から猫が消えたなら』を発表。同書は本屋大賞へのノミネートを受け、130万部突破のベストセラーとなり映画化された。
他著作として、中国での映画化も決定した小説第2作『億男』、絵本『ティニーふうせんいぬのものがたり』『ムーム』『パティシエのモンスター』、対話集『仕事。』『理系に学ぶ。』『超企画会議』など。

恋愛小説を書こうと思ったら、
周りの人が誰も熱烈な恋愛をしていませんでした。
独身の男女は好きになる相手がいないと嘆き、
結婚した夫婦は愛が情に変わるもんだと嘆く。
でも誰もが、十代の頃の恋を瑞々しく語る。
あの頃の気持ちは一体どこに消えたのか?
恋愛を前にして、人間は悲しいくらい生身にされてしまう。
でも僕はそれこそが美しいと思いました。
だから「恋愛がなくなった世界」で、
それを求めてもがく男女の物語になった。
絶望の果てまで行った先に見えたかすかな”光”とともに
ラストシーンを書き終えた時、
問い続けていた答えのカケラが見えた気がしました。
読んだ人それぞれの恋愛に対する答えを、小説を読んで、
自分の中に見つけて欲しいと思っています。

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