予約をすれば、誰でも簡単に学校中の制作設備や機材を使うことができた。
サークルや自主的な制作の際にも自由に使え、場所によっては校舎の閉まる22:00まで使えるスペースもあり、多くの学生が利用してきた。
機材は通常通り借りることができたが、設備に関して言うと前期は使える教室や時間が制限され、最初のうちは気軽に利用しづらい日々を送った。
後期になり規制がかなり緩和され、コロナ以前とほぼ変わらない制作環境が戻ってきた。しかし校舎閉鎖時刻は依然早いままで、それに伴って学校の設備もその時間までしか使えないなど、一部ではいまだに影響が残っている。今では、学校の設備も利用するが、基本的には自室での制作でなんとかしようとしている学生が多いようだ。

一つの教室に集まって、先生の講義や講評を受けた。直接先生から指導いただいたり、他の学生の進捗状況や作品を見ることができるので、 大きな刺激を得ることができ、モチベーションにもつながった。そこからさらに友人同士で制作に関する相談をしあったりするなど、お互い切磋琢磨しあった。

講義はほぼ全てzoomを使ったオンラインで実施された。オンラインでもグループ分けされた上で個別講評、学生同士の少人数でのディスカッションなど、対面ではないだけで学生同士や先生とやりとりをする場は設けられた。
会話に関してはオンラインによる弊害はほぼ感じられなかった一方、他の学生の制作途中の作品を見られないため、制作技術の共有や新しい発見がなかなか難しかった。
一部例外があり、選択科目のデッサンの授業では前期はオンラインのみで実施されていたが、後期ではアトリエでの制作となった。
とある静物画の授業では、一つのアトリエに学生が集まって制作が行われていた。講評もその場で行われ、最も本来の授業形態に近い体勢がとられている。

各課題の最後に、一つの部屋に学生と作品を集めて、先生が気になった作品や評価の良い作品をピックアップして紹介していく。
自分の作品が取り上げられるかどうか、ドキドキしながら講評を受けていた学生も多くいたことだろう。

講評自体はオンラインで実施されたが、作品展示と回収の際には校舎に赴く必要があった。
全員が展示し終わる夜頃に展示している部屋へ行くと他の学生の実作品を多数見ることができるが、ここで見逃すと実物が見られる機会はない。 講評当日は入室することはできず、学生も講評が終わり次第すぐに回収してしまう人が多いためである。
しかし当日の講評はリアルタイムで中継され、従来の授業に近い形での講評が行われている点では、最終講評の雰囲気が感じられる楽しい瞬間である。
制作の一連の流れを通して、コロナの弊害を受けて苦戦する人が多いようである
授業では足りない分をいかに自主的に動いて補えるかが、ポイントになってくる